間違った選択をすると学生ビザ却下の可能性あります

2024年以降、オーストラリア移民省は学生ビザの発給数に更なる制限数を設けることを発表しました。これまでも、発給数の上限はあったもののそれ程影響のなかったのも事実ですが、現在は制限する事で、留学生の数をコントロールしている感があります。
また、ビザ却下も引き続き継続しておきておりますので、学校ならびにコース選択は少し慎重に進めていくのがいいでしょう。
どういった学校を選択すれば良いの?
まず間違いなく挙げられるのが、通称「ビザ取り」と呼ばれている学校を避けることです。
ビザ取り学校とは何か?
「授業に参加しなくても・課題を適当にこなしても大丈夫・・」を良しとしている学校になります。そんなことってあるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、オーストラリアでは、他の英語圏と比較してもこの手の学校の数が以上に多く存在しています。
この様な学校が多数存在している理由として、オーストラリアの学生ビザの就労条件に起因しています。
オーストラリアの学生ビザの就労条件は以下になります。
<ポイント>
①就学期間中は、2週間で48時間までの就労が認められている
②修士課程(研究)ならびに博士課程で就学をされている場合には、48時間以上の就労は可能
③ホリデー期間中は、48時間以上の就労が可能
学生ビザで就労可能な時間というのは、やはり決まっているという事です。
例えば、オーストラリアと人気留学先を2分するカナダの場合、語学学校で就学をする場合には、就労はできませんが、オーストラリアの場合には、語学学校での就学であっても、就労が認められています。アメリカやカナダは更に就労の条件が高くなりますので、必然的に、オーストラリアの就労条件は他国に比べて留学生にとっては魅力的であり、特にワーキングホリデー制度が無い南米やアジア諸国の留学生の場合、学生ビザで渡豪され、現地で就労をできる機会が他国よりも高いと言えます。
勿論、学生ビザの就労条件を遵守して働く分には問題無いのですが、やはりそうではないケースも多くあるのも事実。
そして、そういった遵守しない多くの生徒が好んで就学されている(所属している)学校と言うのが「ビザ取り」学校と言われている学校になります。
ですので、学校側も、そういうスタンスでいるため、生徒の出席率や課題なども学内で調整して生徒からは授業料をいただくだけで適切な授業を行っていないという問題も浮き出てきています。
そのため、移民省ではそれを当然良しとせず、そういった事を行っている可能性のある学校へのモニタリングを強化することになりました。
移民省側から正式に、該当する学校の発表はありませんので、予測の部分はありますが、実際に、幾つかの特定の学校では複数の却下歴などが出ている事は現地エージェントであれば、情報は入ってくることも多々あるのでその様な情報をもとにし、また各学校とのやり取りの中で判断材料を集め、お客様にはカウンセリングを通して案内をしております。
100%この学校だったらビザが認可されるという事は誰も分かりませんのでその点は、皆様にも十分にご理解を頂く必要はあるのですが、できる限り現地で各学校の状況を鑑みながら学校紹介をさせていただいております。

どういったコースを選択すれば良いの?
コース選択の際に注意をしなければいけないポイントが幾つかありますが、主に以下が挙げられます。
・過去のオーストラリアへの渡豪歴
・過去の職務経歴
・過去の学歴
・ご年齢
一般的には、20代前半で、過去にオーストラリア渡航歴が無く、学生ビザを初めて日本から申請するというようなケースであれば、ビザ認可の可能性は高いとみることができます。
一方、同じ20代前半でも、過去のオーストラリア滞在歴が、
1回目のワーキングホリデー → 2回目のワーキングホリデー → 学生ビザ1年間語学学校就学済み → 今回また学生ビザで1年間の語学学校
というようなケースでは、前者よりもビザ却下の可能性は高まるという事になります。
前者が100%取得できて、後者はビザ却下されるということでは当然ないのですが、上記のポイントの要素が少なからずビザ申請の際には関係してきますし、留学される個人個人でバックグラウンドが異なりますので、そのバックグラウンドを含めたコース選択のカウンセリングが重要になってきます。
また過去の職務経歴や学歴も押さえておきたいポイントになります。
例えば、最終学歴が日本の大学卒業(専攻が経済学部)だった方で、日本での数年の会社員(営業職)としての職歴があり、今回オーストラリアの専門学校で基礎ビジネスコースを選択した場合、
「すでに同じ、ビジネス系の学部で、専門学校よりも高い学位レベルを卒業しており社会人経験もあるのに、何故今更、ビジネスの基礎を学びたいのか・・・」
という視点で移民省は見てくる可能性が高くなります。
これに対してしっかりとした理由付けができれば、ビザ認可という事もありますが、すでに取得済みの学位レベルより低い学位レベルで就学をする場合には、注意が必要になります。
大学:Bachelor Degree
オーストラリアの専門学校:Certificate III → Certificate IV → Diploma → Advanced Diploma (左から右に学位レベルが上がります)
上記の場合、すでにBachelor Degreeを保持されている方が、Certificate IIIという基礎専門レベルに出願した場合、学位レベルは4段階下がりますので、ちょっと危険という事が見えてくるわけです。
また同じ分野の職歴がすでにあるのに・・・という部分もポイントになってきますし、逆に、職務経歴と分野が異なるコースに出願する場合でも、過去の職歴や学歴そして、学生ビザでコース修了後の将来の展望の内容によっては同様にビザ却下の可能性も出てきますので、細やかな就学プランを立てることが重要になります。
またオーストラリアの学生ビザでの就学レベルとしては、大きく以下に分けられます。
・小中高校
・語学学校
・専門学校
・大学
・大学院
この中で、現在、一番ビザ却下の数が多いのが専門学校の学位レベルになります。
語学学校や、大学・大学院は比較的、日本国籍の方の場合には、認可される事が多くなりますが、専門学校の場合には、少し却下率が高くなっている傾向です。
傾向ですので、今後また変わってくる可能性もありますが、まだしばらく続くかもしれません。

まとめ
学校選択もコース選択もやはり、留学される個人個人でバックグラウンドによって適切な選択がありますので、カウンセリングの中で具体的なプランニングを決定していくことをおススメいたします。
一昔前のように日本国籍だから問題なく学生ビザが認可されるという考えでは危ないです。
しっかりと準備して留学に臨みましょう。
オーストラリア留学に関して気になる方はお気軽にご相談ください。